しまなみ海道「今治」探訪

島と今治のディープなお店「ローカルに人気のある本当においしいお店。個人レベルで紹介します。」

白楽天

 今治のご当地B級グルメ焼豚玉子飯発祥のお店。

 五番閣という中華料理店があった。私が結婚する時にお互いの両親の顔合わせをしたのは五番閣だった。中華料理店で??と思われるかもしれないが、その当時五番閣はちょっとだけ特別な存在だった。家族でなにかごとがあれば五番閣。回転するテーブルが楽しかった。今はもうなくなってしまった。

 焼豚玉子飯は、五番閣のまかない飯だったことはあまりにも有名な話だ。子供のころ、家の近所で屋台を引いていた夫婦がいる。ラーメンと餃子がすごくおいしかった。そこで出されるメニューの中に中華丼があった。それは、ごはんの上に焼き豚を置いてその上に玉子焼き(半熟目玉焼きではない)を載せ、タレをかけたものだった。これがすごくおいしくていつも食べていたのだが、かなり大人になるまでこれが中華丼だと思っていた。ずっとあとになって八宝菜をかけたような丼が本当の中華丼だということを知りショックを受けた。なぜ屋台の夫婦が焼豚玉子飯もどき作っていたのか?しかもなんで中華丼という名前?そのころはまだ焼豚玉子飯という商品名さえなかったのかもしれなくて、中華丼でいいやといいかげんな名前を付けていたに違いない。

白楽天

まあ焼豚玉子飯という名前でも安易なつけかたではあるが…。しかしなぜ屋台の夫婦が焼豚玉子飯を…?その謎が最近になってやっと解けた。白楽天のホームページに屋台の大将の写真が載っていたのだ。

焼豚玉子飯

 白楽天の先代が五番閣で修行していたころの古い写真の中に屋台の大将がいるのだ。彼も五番閣にいたのだ。それでまかないだった焼豚玉子飯(正確には焼き豚玉子焼き飯かな)をメニューにしていたのだ。もしかしたら、まかないで作っていたときは目玉焼きではなかったこともあったのではないだろうか?中華鍋を使えば当然目玉焼きよりもスクランブルした方が早くできる。まかないの鉄則は、早くて美味しくてボリュームがあることだから、目玉焼きよりスクランブルした方が多かったのかもしれない。これはあくまでも推測なのだが…。ともあれ40年近くの謎が解けた。

 焼豚玉子飯。これはやっぱりどう見てもまかない飯だ。あまりにも料理をしていない。焼き豚は焼くにしても、ごはんの上に焼き豚を載せてタレをかけて、ほとんど生に近い目玉焼きを載せる。タレが大事といえば大事なのだろうけれど、作るのはそれほど難しくないだろう。安易で簡単すぎる。

しかし…しかし旨い。

簡単ではあるが、この組み合わせは絶妙だ。いったい誰がどのようにして…?というほど大げさではなかったのかもしれない。たまたまだったのだろう。たまたまチャーシューがたくさん残っていて、ごはんに載せてみた。タレをかけて丼にして食べよう。でもなんか足りない。といっても玉子ぐらいしかないや…

で、食べたら旨い。みんな旨い旨いと言って食べたに違いない。

焼豚玉子飯

旨いからこそ数十年もの間今治の人たちに愛され続けてきたのだろう。そして、これを正式メニューとして売り出した白楽天の先代の勇気にも敬意を表します。今や、焼豚玉子飯は今治のご当地B級グルメ。ソウルフードとして売り出し中だが、どこまで全国の人に受け入れられるのだろうか?楽しみではある。ただ忘れてはならないのは、白楽天は、あの五番閣の血統を受け継ぐ中華料理店だということ。あくまで焼豚玉子飯はイレギュラーなメニューであるということ。回るテーブルでみんなで食べてもらえる一品料理の数々こそが白楽天の本領なのだ。白楽天丼はそんな気持ちを盛り込んだように感じる焼豚玉子飯と逆の端にあるメニューだ。麻婆豆腐、八宝菜、かに玉(かには入っていない)の要素を入れた丼。これこそが本当の白楽天のスペシャリテではないだろうか?

白楽天丼

白楽天丼

店内

店内

店主 関さん

店主 関さん

白楽天について

白楽天

チャイナダイニング白楽天
住所:愛媛県今治市常盤町4-1-19
営業時間:ランチ11:00〜15:00、ディナー17:00〜22:00
定休日:毎週火曜日
サイト:http://www.hakurakuten.net/


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